2004年3月9日(火)20:21

フィッシャー外相は大EU構想を提唱

エアフルト(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相はあらためて大きな欧州連合の構想を提唱した。ヨーロッパ人は、私自身が4年前に考えた*)以上のスピードで成長する必要に迫られるだろう、とフィッシャー外相は火曜日、エアフルト大学の公共政策学部の学生を前に語った。「情勢のしからしむるところにより」、もはや小ヨーロッパ構想では、グローバル化に対応したEUが必要とする戦略的広がりを満たすことができない、と外相は主張した。

EU憲法は25ヶ国およびそれ以上の加盟国を含むEUを可能にする。必要なのは、加盟国とEU市民に立脚した効率的で透明なEUの民主主義である、とフィッシャー外相は語った。「私はこの憲法が私たちの優れた道具になると確信している」。第二のハードル、すなわち欧州閣僚理事会の決定という問題は、もうじき解決されると思う。「私たちは皆の利益のためにこの憲法を必要としているのだ」、と外相は強調した。

21世紀の問題に対処できるよう、EUは軍事分野でも協力関係を結べなくてはならない。私は、ヨーロッパがそもそも対応するすべを持たないというケースをとりわけ中東で経験した。「このような時は『お気の毒ですが、アメリカ政府が承諾してくれなければ、二進も三進も行きません』と言うほかなかったのだ」とフィッシャー外相は語った。しかし、グローバル化に対応したEUの構成という大きな課題の前には、「安定化に必要な軍備」militaerische Stabilisierungsnotwendigkeitenはひとつの要素に過ぎない、と外相は述べた。

原題:Fischer wirbt fuer grosses Europa

*)訳注:2000年5月12日にフンボルト大学で行った講演「国家連合から連邦へ―欧州統合の最終段階に関する考察―」を指す。なお、この「大EU構想」についてはすでに2月28日の「ベルリーナー・ツァイトゥング」紙のインタビューで提唱されている。(本ホームページ参照)




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